破産した「てるみくらぶ」に関連して経営者として強く思うこと
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記者:
横須賀 武彦
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2017年4月7日
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私が日本で個別相談会を行っている最中に起こった「ネットで格安旅行商品を販売していた”てるみくらぶ(Tellmeclub)”が破産」した件について経営者として強く思うことを書いてみます。
それは私達のようなアテンド業務を行っている会社や個人がアテンド料金が安い事のみを売りにして業務を行ってしまっている怖い現実があります。
会社としてアテンド業務をこなっていても適正な利益が得られない料金設定では、いつかは破綻してしまうという事です。
個人でアテンド業務を行っていても同じですが、個人の場合はもっと怖いリスクが存在します。もし、病気や事故などで怪我をした場合はまったくアテンド業務を行なえない状態になってしまうからです。私(横須賀)の経験から言えば最低2名、患者が多い場合は3名が必要です。
安ければ安いほど良いというのは、物販の商品には当てはまっても、サービスには当てはまらないと思います。
良いサービスには人材コストがかかります。安いサービスで良い人材からサービスを受けることはできないのが現実です。
中田宏さんのブログに非常に共感できる記事を見つけたので紹介させていただきます。
今回、「安いから」と”てるみくらぶ”を選んだ人は泣き寝入りするしかないとは到底思いませんが、消費者は「安過ぎる」ことについてどこかで疑問を持ち、適正な利潤を得られるような販売をしている会社を選ぶことが大切だと思います。
それでももちろん、安いに越したことはありません。デフレ経済の間に何人もの経営者から「適正な利潤を載せていない商売は長続きしない」という話を何度も聞きました。
本当にその通りだと思います。同じ旅行交通の分野では、平成28(2016)年の軽井沢スキーバス転落事故がありました。
長距離バス・深夜バスが過当競争となって結果的にドライバーが過酷な働き方をせざるを得ず、居眠り事故が起きてしまいました。商品が安過ぎると感じた場合はどこかに発生しているかもしれないひずみを意識して、
「良き企業を育てる」「良き商品を供給してもらう」という観点から消費行動をしていくことが大切ではないでしょうか。
バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超