ガモン病院の第5のSRS「腹腔鏡による陰茎腹膜膣形成/PPV」術について
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記者:
JWC 加地
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2020年3月14日
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- 腹膜と陰茎の皮膚を利用して造膣する、新しいSRSの術式。
- 陰茎がある程度大きい方でないと、この術式での手術が行えない。
- 既にSRSが済んでいる方の再造膣としては、この術式での手術は行えない。
先週末、ガモン病院の公式ウェブサイトの英語と日本語のページにのみ現れた「陰茎腹膜膣形成術(PPV法)」がツイッターなどのSNSで話題になりました。
タイSRSガイドセンターにも「この術式がどの様なものなのか」「手術費用はいくらなのか」「S字結腸法よりも良いのか」などの多数の問合せが寄せられました。
その時点では弊社スタッフも初耳の術式で、ガモン病院のスタッフは誰一人として詳細を知らなかったため、なぜその様な未公表の情報が公式ウェブサイトに掲載されたのか首をかしげるばかりでした。
そこで、弊社では実際の患者様と一緒に、ガモン医師に直接、この術式について確認を取りました。
(実際は、もっと多くの質問をガモン医師にしていますので、以下は要約になります)
うーん(陰茎の皮膚を下に引っ張りながら)、この患者さんは陰茎の皮膚に十分な余裕がないから、新しい術式(陰茎腹膜膣形成/PPV)では手術できないね。
もし、手術できる場合は、どのぐらいの膣の深さになりますか?
(腹腔側の腹膜を指して)この部分(腹膜を)新しい膣の部分に下げてきて、こんな感じ。
この手術は旧来の「陰茎皮膚反転法」と「腹膜造膣法」を組み合わせた術式のため、前提条件として「陰茎の大きさが一定以上である」である必要があります(事前に陰茎サイズをガモン医師に確認してもらう必要あり)。
「腹腔鏡による陰茎腹膜膣形成/PPV手術」による手術が可能と判断された場合に予想される膣の深さは約12-15cm前後となります。
「腹腔鏡による陰茎腹膜膣形成/PPV手術」が可能になるほどの大きな陰茎の持ち主は日本人MtFでは極めて稀なため、ほとんどの方は、この手術の適用にはならないと考えています。
また、腹膜造膣法は手術の複雑さから言えばS字結腸法より難易度の低い手術で、腹膜にも自己潤滑性があるためS字結腸に近い潤滑度がありますが、新しい膣と腹腔を隔てるのが薄い腹膜のみとなる事(上行感染とよばれる感染症の可能性がある)、腹腔に手を加える事(腹膜と腸の癒着による腸閉塞の可能性がある)によるリスクもあります。
その為、今まで通り「陰嚢皮膚移植法」、「開腹によるS字結腸法」や「腹腔鏡によるS字結腸法」が現実的な選択肢となるのではないでしょうか?
新しい術式「腹腔鏡による陰茎腹膜膣形成/PPV手術」に興味がある方は、タイSRSガイドセンターまでお問い合わせ下さい。