MTF手術はどれくらい滞在が必要ですか?
記者:
横須賀 武彦
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2006年5月7日
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1. MTF手術とは?
MTF(男性から女性)向けの性別適合手術(SRS)は、身体的特徴を女性の形態に近づけるための医療行為です。日本では外性器の変更手術を指す場合が多いですが、海外では顔の女性化手術(FFS)や声の女性化手術なども「性別適合手術」の一部として扱われることがあります。
2. MTF手術の種類と違い
膣を造らない性別適合手術
- 造膣なしSRS(陰茎皮膚反転法)
外性器のみ女性の形状に整える手術法です。
膣を造る性別適合手術
- 陰嚢皮膚移植法
主に陰茎や陰嚢の皮膚を利用して膣を形成します。 - S字結腸法
S字結腸の一部を利用することで、より深い膣を確保しやすい方法です。 - 陰茎腹膜造膣法
陰茎皮膚と腹膜の一部を利用して膣を形成する方法です。
3. 術後の滞在期間はどれくらい必要か?
タイなどでMTF手術を受ける場合、最低2週間は現地に滞在して医師の経過観察を受ける必要があります。さらに、膣を造る手術を行う場合はダイレーションの練習やリハビリが必要になるため、3週間程度滞在するほうが安心です。
- 最低2週間の滞在
- 術後の初期回復を確認し、感染や合併症の兆候がないかをチェックするために必要です。
- 3週間の滞在が望ましい理由
- ダイレーションになれるまで時間がかかるほか、術後の痛みや体調を見極める期間が必要なため。
4. 日本帰国後の自宅休養とケア
術後の経過には個人差がありますが、4~6週間の自宅休養が推奨されることが多いです。職場復帰のタイミングや日常生活への復帰は、以下の点を考慮して慎重に判断しましょう。
- 傷の手当てとケア
- 傷口を清潔に保ち、医師の指示に従ってケアを行います。
- ダイレーション
- 膣を造った場合は、ダイレーションを継続して行い、膣の深さや形を保つ練習が必要です。
- 仕事への復帰
- 事務系などの軽作業は比較的早期に復帰可能ですが、体力や筋力を要する仕事の場合は医師と相談して時期を決めましょう。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. 性別適合手術の費用はどれくらいですか?
A1. 手術の種類や病院、アテンドサービスや滞在費・航空券費などを含めると、一般的には数百万円ほどかかることがあります。
Q2. 手術のリスクは何ですか?
A2. 感染や出血、麻酔に伴う合併症などが挙げられます。適切な医師の指示やアフターケアを守ることで、リスクを最小限に抑えられます。
Q3. 手術後の性生活への影響は?
A3. 個人差がありますが、適切な回復期間を経た後に再開が可能です。医師と相談しながらタイミングを決めるのが望ましいでしょう。
Q4. ホルモン治療は続ける必要がありますか?
A4. 原則として、手術後もホルモン治療は継続するケースが多いです。体内ホルモンバランスを保つため、専門医の監督下で行いましょう。
Q5. 術後の運動制限はありますか?
A5. 激しい運動は体の回復を妨げる可能性があります。軽いウォーキングなどは術後数週間で始められる場合もありますが、医師と相談のうえ進めてください。
バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超