抗うつ薬は性機能だけでなく「恋愛能力」にも悪影響の可能性
記者:
横須賀 武彦
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2009年3月4日
2,398

最も一般的な抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、性機能障害を引き起こすことがよく知られている。SSRIを摂取している米国の成人3100万人のうち、約30%が性機能障害を経験しているとみられる。
ところが新たな説によって、この抗うつ薬は、愛や恋にも微妙な化学的変化をもたらす可能性が指摘されている。SSRIは、本当なら恋人になるはずの2人が最初に散らす恋の火花を消し、さらには恋人同士が絆を深めることを妨げるのだという。
続きはこちら→http://wiredvision.jp/news/200903/2009030323.htmlをお読みください。
「抗うつ薬を飲み始めてから、性欲だけでなく“ときめき”も薄れた気がする」――そんな声を耳にしたことはありませんか?
本記事では、もっとも一般的な抗うつ薬 SSRI が 性機能だけでなく恋愛感情にも影響する 可能性と、そのメカニズム・対策をわかりやすく解説します。
SSRI は“恋の火花”を消してしまう?【Q&A】
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結論:SSRI は一部の人で恋愛感情の高まりを鈍らせる可能性があります。
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セロトニン濃度の恒常的上昇により、ドーパミン系の活性が下がる
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「性的快感」だけでなく「親密さ」を感じる脳内報酬系にも影響
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海外調査で SSRI 服用者の約30%に性機能障害+恋愛感情の低下を報告
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「長年のパートナーを大切に思う気持ちは変わらないのに、“ドキドキ感”が戻らない」――30代 MtF・Aさん(SSRI 服用中)
SSRI の“恋愛抑制”メカニズムを段階的に解説
STEP 1:セロトニン再取り込み阻害の基本
脳内セロトニン量が慢性的に上昇して不安を鎮める一方、報酬系ドーパミン活性が抑制され快感閾値が高まる。
STEP 2:ドーパミン・オキシトシンへの波及
ドーパミン低下で冒険心や性的興奮が鈍り、オキシトシン分泌も減少して『親密さ』『絆形成』の感情が弱まる連鎖が起こる。
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Tips(好奇心やワクワク感はドーパミン依存)
STEP 3:恋愛初期特有の“高揚”が起こりにくい
報酬系の抑制により心拍上昇や“ときめき”といった恋愛初期の高揚感が生じにくく、関係深化までのモチベーションが下がる。
Note: 個人差が大きく、薬剤中止で元に戻るケースもある一方、長期的に続く例も報告。
抗うつ薬に関するよくある誤解と正しい情報
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誤解①「SSRI を飲むと必ず恋愛できなくなる」
実際は 3〜4割 程度の人に影響が見られますが、薬剤変更や用量調整で改善する場合も。 -
誤解②「副作用が出たら自己判断で断薬してよい」
実際は 医師と相談し段階的に減薬 しないと離脱症状のリスク。 -
誤解③「性機能障害は治療できない」
実際は Bupropion 併用 や 一時的な“薬休み” など選択肢があります。
Note: MtF/FtM のホルモン治療と併用する場合も、作用が複雑化するため専門医の連携が必須です。
まとめ
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SSRI は性機能だけでなく恋愛感情にも影響する可能性がある
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影響は個人差が大きく、薬剤変更や心理的アプローチで改善する余地あり
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自己判断ではなく専門医・カウンセラーと連携して調整を
タイSRSガイドセンターは、タイで実際に性別適合手術を経験した MtF 当事者が現地で直接サポートする唯一のアテンド会社です。
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