【2026年更新】アイコス(IQOS)では禁煙になりません。
記者:
横須賀 武彦
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2017年2月12日
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結論:アイコス(IQOS)に持ち替えても、禁煙にはなりません
「アイコスに変えてからタバコがやめられた」という声を耳にすることがあります。しかし結論から言うと、加熱式タバコへの持ち替えは禁煙ではありません。紙巻きタバコと同程度のニコチンを摂取し続けている以上、依存している状態そのものは変わっていないためです。
ヒートスティックの箱には、通常の紙巻きタバコのパッケージと同様に「肺がんの原因のひとつとなり、心筋梗塞や脳卒中の危険性、肺気腫が悪化する危険性を高める」という警告表示があります。未成年は吸ってはいけないことや、副流煙への注意も、紙巻きタバコと同じように明記されています。副流煙のリスクについてはあなたはタバコの本当の怖さを知っているか 医師がマンガで教える!受動喫煙の真の恐怖もあわせてご覧ください。
なぜ「体にやさしい」と誤解されやすいのか
加熱式タバコは、火を使わずタバコ葉を加熱することで蒸気を発生させる製品です。灰が出ず、煙や臭いも紙巻きタバコより少ないため、体への影響も少ないと感じられがちです。
ただし、これは煙の見た目や臭いの話であって、ニコチンをどれだけ摂取しているかという話とは別です。タバコ葉を加熱する過程でニコチンをはじめとするさまざまな物質を吸い込んでいる点は、紙巻きタバコと変わりません。
ニコチン依存という核心は変わらない
ニコチンは脳の報酬系に作用し、強い依存を形成する物質です。加熱式タバコも紙巻きタバコと同じくタバコ葉からニコチンを摂取する製品である以上、燃焼を加熱に置き換えても、依存を生んでいる物質そのものが変わるわけではありません。加熱式タバコだけでもやめづらいと感じる人が多いのは、この依存の仕組みが解消されていないためです。本数を減らすだけでは根本的な解決にならないという点は、紙巻きタバコの減煙でタバコはやめられない!世界最悪の「受動喫煙大国」日本でも触れているとおりです。
健康リスクについて、現在わかっていること
加熱式タバコの健康影響については、2017年の登場から時間が経ち、以下のような公的な見解が積み上がっています。
世界保健機関(WHO)は、加熱式タバコの有害物質への曝露が紙巻きタバコより少なくなる場合があるとしても、それが「無害」や「健康リスクの低減」を意味するわけではないと繰り返し表明しています。紙巻きタバコの煙には含まれない、あるいはより高濃度で含まれる有害物質が加熱式タバコの蒸気にも存在するとも指摘しています。
米国食品医薬品局(FDA)は2020年、IQOSを「モディファイド・リスク・タバコ製品(MRTP)」として認可し、2026年4月にもこの認可を更新しました。ただし、ここで注意が必要なのは、認可されているのはあくまで「紙巻きタバコから完全に切り替えた場合、有害化学物質への曝露を減らす」という限定的な表示だけだという点です。FDA自身も「安全なタバコ製品は存在しない」「この認可はIQOSが安全であることやFDAが承認したことを意味しない」と明記しています。「FDAが認めた製品だから安全」という理解は誤りです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、加熱式タバコの主流煙には複数の有害化学物質が含まれることは明らかである一方、受動喫煙による長期的な健康影響については、現時点でも十分に分かっていないとされています。長期にわたって吸い続けた場合、自分自身だけでなく周囲にも重篤な健康被害を及ぼしかねないという点は、加熱式タバコも紙巻きタバコと変わらないということです。電子タバコを含めた蒸気の有害性については実質的にすべての電子タバコの蒸気が有害な化学物質を含むとの研究結果、加熱式タバコ全般の医師の視点からの解説は流行の電子タバコ、健康にいいのか?医師の視点もご参照ください。
本気で禁煙したい場合にできること
2020年度の診療報酬改定により、紙巻きタバコを吸わず加熱式タバコのみを使用している人も、条件を満たせば保険適用の禁煙外来(ニコチン依存症管理料)の対象になりました。以前は喫煙本数と喫煙年数をかけ合わせた基準で対象外になるケースがありましたが、現在は加熱式タバコのみを使用している人も、ニコチン依存症判定テストを受けることで対象になり得ます。
自己流で加熱式タバコに持ち替えるだけでは、ここまで見てきたとおりニコチン依存は解消されません。本気でやめたいと考えている場合は、保険適用の禁煙外来を選択肢に入れることをお勧めします。
タイでのSRSを検討中の方への影響
日本麻酔科学会は、喫煙者は非喫煙者に比べて手術中・術後の呼吸器合併症のリスクが高く、手術の4週間以上前からの禁煙で術後の呼吸器合併症を減らせるとしています。これはニコチンによる血管収縮が、傷の治りに必要なコラーゲンの産生を妨げるためで、紙巻きタバコに限らずニコチンの摂取そのものに関わる仕組みです。つまり、紙巻きタバコから加熱式タバコに持ち替えているだけでは、この観点でのリスクは軽減されません。
当社では、手術日から起算して最低2週間前までの禁煙をお願いしています。これは提携する病院でも共通の方針です。ここでいう禁煙には、紙巻きタバコだけでなくIQOSなどの加熱式タバコも含まれます。日本麻酔科学会が示す目安(4週間以上前から)と比べると短い期間ですが、これは当社・提携病院が設ける最低限のラインです。可能な範囲で、できるだけ早い時期からの禁煙をお勧めします。
さらに、加熱式タバコについてはもう一つ重要な点があります。タイでは、IQOSなどの加熱式タバコは電子タバコと同じ扱いを受け、持ち込み・所持・使用のいずれも法律で禁止されています。所持・使用が見つかった場合は罰金と機器の没収の対象になり、持ち込み(輸入)とみなされた場合はさらに重く、最高10年の懲役または50万バーツの罰金のいずれかが科されます。取締りは2026年に強化されており、観光客であっても例外はありません。「手術までの禁煙期間だけ、紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替える」という判断は、ここまで見てきたとおり健康面での意味がないだけでなく、タイ滞在中は法律面でのリスクにもなります。
なお、紙巻きタバコを含むタイ滞在中の喫煙ルール全般については、タイでたばこ規制強化!禁煙場所拡大+罰金5000バーツもあわせてご確認ください。
「誰に確認すればいい?」相談先の振り分け
| 確認したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 禁煙・ニコチン依存の治療について | 医師(禁煙外来)・薬剤師 |
| 手術前の禁煙期間や制限について(最低2週間前までに禁煙) | 執刀病院、または弊社スタッフ(LINE相談窓口) |
| タイへの加熱式タバコ・電子タバコの持ち込みや、渡航中の喫煙ルールについて | 弊社スタッフ・LINE相談窓口 |
ニコチン依存の治療についての専門的な判断は医師・薬剤師にご相談ください。手術前の禁煙期間やタイ渡航に関するご相談は、私たち弊社スタッフが承ります。











結論は医師の立場で「ニコチンはニコチン。アイコスは禁煙ではない」。パッケージにも肺がんや心筋梗塞、未成年禁止、受動喫煙の注意書きがあるよ。
見た目は違っても長期使用や周囲への害は変わらない点は重要。この記事は2017年の記事なので、最新情報は別途確認してね。
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