【2026年更新】入院給付金は海外での入院も保障されますか?
記者:
横須賀 武彦
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2017年11月29日
4,345

【 ご質問 】 入院給付金は海外での入院も保障されますか?
【まず結論】海外の医療機関での入院も、保障の対象です
医療保険も医療特約も、海外での入院を保障の対象としています。ただし、日本国内の医療法に定める病院、または患者を収容する施設を有する診療所と同等であると保険会社が認めた医療施設での入院であることが前提です。この条件は2026年9月現在も各社の案内に置かれています(東京海上日動あんしん生命・オリックス生命のよくあるご質問より。出典は記事末尾に記載しています)。
実際に給付されるかどうかは、加入している商品の保障内容と保険会社の査定によって決まります。手術の種類や入院日数によっては対象外となることもあるため、渡航前に加入先の保険会社へご確認ください。タイの医療機関が上記の要件を満たすかどうかの判断も、保険会社が行います。
海外での入院で押さえておきたい3つの条件
① 入院先が「日本の病院と同等」と認められる医療施設であること
日本の医療法は、入院設備の規模によって「病院」と「診療所」を区別しています。海外の医療機関にはこの区分がそのまま当てはまらないため、各社は「日本国内の病院または患者を収容する施設を有する診療所と同等の医療施設」という言い換えで支払条件を定めています。日帰りの施術や、入院設備のない施設での処置は、この条件を満たさないことがあります。
② 診断書は英文で用意すること
海外での入院・手術の請求では、保険会社所定の請求書に加えて、英文の入院・手術証明書(診断書)が必要になります。英語以外の言語で書かれた診断書は査定ができない場合があるため、各社とも英語での提出を求めています。タイの医療機関はタイ語と英語で書類を発行しますので、日本語の書式ではなく英文の書式を保険会社から取り寄せてください。
③ 書類の送付先・振込口座を日本国内に限る会社があること
給付金の支払明細の送付先と振込口座を日本国内に限定している保険会社があります。海外に長期滞在する予定の方は、渡航前にこの点も確認しておくと、帰国後の手続きで戻る手間が減ります。
請求のルートは3通りあります
海外から直接請求するか、帰国後に請求するか、日本国内の代理人を通して請求するか――どのルートを選ぶかで、用意する書類が少しずつ変わります。
- 海外から直接請求する……滞在中に請求手続きを始める方法です。海外からの受付窓口を別に設けている保険会社があります。
- 帰国後に請求する……日本に戻ってから手続きする方法です。タイでのSRS(性別適合手術/性別不合の治療)では、このルートをとる方が多くいらっしゃいます。
- 日本国内の代理人を通して請求する……委任状を提出し、代理人に手続きを任せる方法です。代理人になれる人の範囲(親族の範囲や弁護士など)や、続柄を確認する書類・代理人の本人確認資料の要否は保険会社ごとに定めがあります。日本生命の「(海外渡航時用)委任状」のように、渡航前に委任状を提出しておく書式を用意している会社もあります。
万一に備えて、契約している保険会社のサービスセンターの電話番号は控えて渡航してください。海外用の英字証明書類をインターネットからダウンロードできるようにしている保険会社もあります。
書類は「渡航前に取り寄せて持参」が基本です
入院給付金を請求する予定があるなら、渡航前に保険会社へ連絡し、次の3点を確認してください。
- 海外で治療を受けた場合に使う英文の保険金請求書の取り寄せ方法(郵送またはダウンロード)
- 同じく英文の診断書の様式の取り寄せ方法
- そのほかに、治療先の医療機関で記入・用意が必要な書面があるかどうか
取り寄せた書式を持参し、治療を受けた医療機関で記入してもらってから帰国すると、あとの手続きが少なくて済みます。書類が日本とタイを往復しない分だけ、受け取りまでの日数が短くなるためです。
記入するのは、実際に治療を行った医療機関のスタッフです。弊社スタッフは医療の有資格者ではないため、治療内容の証明にあたる記入を弊社が代行することはありません。弊社の役割は、お客様と医療機関のあいだで書式のやり取りを取り次ぐことです。ガモン病院・ヤンヒー病院・ヨーサガンクリニック・スポーン・クリニック・ルックスクリニックなど、弊社がご案内した医療機関で手術を受ける方には、この取り次ぎを弊社がご案内しています。
渡航に書類が間に合わなかった場合や、帰国後に請求すると決めた場合でも、弊社が医療機関へ取り次ぎます。必要な書式・費用(記入済み書類をスキャンデータでお戻しする場合と、原本を国際郵便で返送する場合で異なります)は、【2026年更新】帰国後に保険金請求をしたい方へ|入院・手術証明書の取得方法と費用で詳しくご案内しています。
請求には期限があります――3つの期限を分けて考えてください
「請求の期限」という言葉には、実は性質の異なる3つの期限が混ざっています。混同すると「もう請求できない」と思い込んで、本来まだ間に合う請求を諦めてしまうことがあるため、ここで分けてご説明します。
① 保険会社への請求権の時効(一般に3年)
民間の医療保険・医療特約について、保険給付を請求する権利は、保険法(平成20年法律第56号)第95条により、原則として支払事由が生じた日の翌日から3年間行使しないと時効によって消滅します。東京海上日動あんしん生命・オリックス生命など各社の約款・案内にも同じ趣旨の定めが置かれています。これが、保険会社に対する請求の期限です。
なお、3年を経過した場合でも、書類が揃えば請求に応じる保険会社があるとされています。期限を過ぎてしまったと思われる場合も、諦める前に一度、加入している保険会社へご確認ください。
② 公的医療保険「海外療養費」の申請期限(2年)
公的医療保険の「海外療養費」は、民間の医療保険とは別の制度です。協会けんぽの案内では、海外で医療費を支払った日の翌日から2年が申請期限とされています。①の3年とは期限も必要書類も異なりますので、両方を請求する予定の方はそれぞれの締め切りを分けてご確認ください。
③ 弊社が帰国後の書類取り次ぎを承る目安(術後1年以内)
ここまでの①②は、保険会社・公的機関が定める請求そのものの期限です。これとは別に、弊社が帰国後に書類の取り次ぎをお引き受けする目安として、術後1年以内をお願いしています。これは保険会社の請求期限(①の3年)とは異なる、弊社独自の受付目安です。期間を区切っているのは、時間が経つほど医療機関側で当時の診療記録を確認する手間が増えるためです。
術後1年を過ぎると、弊社での取り次ぎはお引き受けが難しくなる場合があります。ただしその場合でも、お客様ご自身で保険会社・医療機関に直接ご連絡いただき、請求を進める道は残っています。①でご説明したとおり、保険会社への請求権自体は原則3年ありますので、弊社の受付目安を過ぎたことをもって請求そのものを諦める必要はありません。
日本語の診断書を用意してもらうことはできますか?
保険会社に提出する書式については、英文のものをご用意ください。書式に記入する医療機関のスタッフは日本語での記入に対応していないため、日本語の書式はご案内できません。保険会社が英文・日本語の両方の書式を用意している場合は、英文の書式を取り寄せてください。
入院給付金のほかに使える制度はありますか?
勤務先の「傷病手当金」や、確定申告の「医療費控除」の対象になる場合があります。制度ごとに必要な書類も申請先も異なりますので、手術費用が戻ってくる?「入院給付金」と「医療費控除」のヒミツと、SRSにおける傷病手当、および医療保険の活用についてをあわせてご覧ください。実際に公的健康保険と生命保険の両方から給付を受けた方の記録は、【実例】タイでのSRS入院、公的健康保険と生命保険の両方から給付を受けた話でご紹介しています。
タイでのSRSを検討中の方へ
保険会社への確認は、手術の予約が決まった時点で始めておくと余裕を持って進められます。渡航直前に確認すると、英文書式の取り寄せが渡航に間に合わないことがあるためです。確認しておきたいのは、加入中の商品が海外での入院を対象にしているか、英文書式をどう入手するか、請求ルートごとに何が必要か、の3点です。
ご相談の窓口――内容に応じて専門家におつなぎします
| 確認したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 給付の対象になるか、いくら支払われるか、どの書式が必要かなど保険契約の内容そのもの | 加入している保険会社 |
| 書式への記入内容(治療内容の証明) | 手術を受けた医療機関のスタッフが記入します(弊社が取り次ぎます) |
| 書式の送付・受け渡し・手数料のご相談、渡航スケジュールとの調整 | 弊社スタッフ・LINE相談窓口 |
| 医療費控除の可否・確定申告の書き方 | 税務署・税理士 |
給付の可否と金額を判断するのは保険会社であり、弊社が保証することはできません。弊社がお手伝いできるのは、書式が医療機関に届き、記入されて戻ってくるまでの取り次ぎです。この線引きをはっきりさせたうえで、できるかぎりのサポートをいたします。
保険金請求の書類手配についてご不明な点があれば、LINEでの無料相談からお気軽にご相談ください。
参考にした情報
- 東京海上日動あんしん生命「海外での入院や手術は、給付金を請求することができますか?」https://faq.tmn-anshin.co.jp/faq_detail.html?id=8003
- オリックス生命「海外での入院・手術は、給付金の支払い対象ですか?」https://faq.orixlife.co.jp/faq_detail.html?id=8401589
- 東京海上日動あんしん生命「保険金や給付金の請求期限はありますか?」https://faq.tmn-anshin.co.jp/faq_detail.html?id=8047
- オリックス生命「給付金等の請求は、いつまでに行えばよいですか?」https://faq.orixlife.co.jp/faq_detail.html?id=8401566
- 日本生命「(海外渡航時用)委任状」https://www.nissay.co.jp/keiyaku/tetsuzuki/lifeevent/pdf/ininjyou.pdf
- 保険法(平成20年法律第56号)第95条(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A 保険金の請求について」https://soudanguide.sonpo.or.jp/basic/5_1_q3.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「海外療養費」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/overseas_medical_expenses/index.html
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バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超









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