甲状声帯壁縮小術後の声の変化は半永久的ですか?
記者:
横須賀 武彦
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2006年11月3日
2,172

「手術しても声が元に戻ったら…」。――そんな不安を抱えるあなたへ。この記事では、声のピッチ変更手術(声帯短縮術/甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ])のしくみと長期的な効果を最新データで解説し、半永久的に“女性らしい声”を保つためのポイントをお届けします。
Q. 声は本当に半永久的に女性らしく保てるの?
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結論: 適切な術式とケアを行えば、効果は半永久的に維持できます。
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甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ]により声帯が物理的に短縮される
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最新の吸収性糸と固定技術で安定性が向上
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術後のボイストレーニングが筋肉の再適応を促進
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2002 年時点で「持続最長6 年」と報告された症例は、2025 年現在も再低下なし。国内外の臨床データでも再低下率0.5%未満が確認されています。
声のピッチ変更を成功させる3つのステップ
STEP 1:術前カウンセリングと適応診断
声帯構造・希望音域・既往歴を詳しく評価し、最適な術式と目標ピッチを設定します。
STEP 2:甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ]の実施
声帯靭帯を注意深く切除し、声帯を物理的に短縮してピッチを上げます。
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Tips:喫煙中の方は術前最低2 週間の禁煙が望ましい。近年では、初回の声の女性化手術実施の際は、術後ダウンタイムの長い「甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ]」ではなく、手術翌日より発声の出来る「改良された輪状甲状軟骨接近術[りんじょうこうじょうなんこつせっきんじゅつ]」で行うのが一般的となっています。
STEP 3:術後ケア&ボイストレーニング
腫れが落ち着く術後1ヵ月後から徐々にボイストレーニングを開始し、声帯の新しい長さに合わせた発声法を習得します。
Note: 術後3 か月以内に正しい発声法を身につけると、長期的な声の安定率が大幅に向上します。とは言え、甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ]では最短で半年、最長で1年は日常会話の発声に困難を伴う場合がほとんどの為、焦らずゆっくりがポイントです。
声のピッチ変更手術に関するよくある誤解と正しい情報
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誤解①「時間が経つと必ず声が下がる」
実際は 固定法とボイストレーニング が適切なら再低下はごく稀。ただし、恥ずかしいからと術前の声の高さで会話する事が多ければ、その声(術前の高さ)で安定してしまうことも。 -
誤解②「手術だけで理想の声になる」
実際は ボイストレーニング との併用が不可欠です。手術を受けただけで突然、女性声になるわけではありません。 -
誤解③「どの病院でも同じ結果が得られる」
実際は 症例数と執刀医の腕 が結果に大きく影響します。
Note: 医師選びは「年間症例200件以上」が目安。
まとめ
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甲状声帯壁縮小術[こうじょうせいたいへきしゅくしょうじゅつ]は半永久的に高いピッチを維持できる術式。
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最新技術と正しいリハで再低下率0.5%未満を実現。
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術後のボイストレーニングが理想の声づくりを後押し。
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