FAQ: SRS術後の女性器は性感を受けて愛液のように濡れたりしますか?
記者:
横須賀 武彦
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2007年4月17日
2,184

「せっかく膣をつくったのに、興奮しても濡れないの?」——そんな不安を抱えるあなたへ。本記事では、MtF SRS(性別適合手術)後の“潤い”の正体と感じ方のコツを、エビデンスと体験談を交えながら分かりやすく解説します。読了後には、術後のセルフケアとパートナーシップを前向きに考えられるはずです。
SRS後でも“愛液”は分泌されますか?【Q&A】
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結論:膣からの分泌液は基本的に出ません。ただし、尿道口の“カウパー腺液”が潤いを補います。
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カウパー腺液は射精前に分泌される弱アルカリ性の透明液
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興奮度・ホルモンバランス・精神状態で分泌量が大きく変動
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挿入前に外陰部をほどよく湿らせる潤滑作用が期待できるが、潤滑ゼリー要らずではない
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「分泌物だけで性交渉はとても現実的ではないので、潤滑ゼリーを併用して無理せず楽しんでいます」― 術後2年・Aさん(34歳)
しくみをSTEPで理解しよう
STEP 1:SRSで残る器官と役割を知る
前立腺・精嚢・射精管は切除されずに残るため、性的興奮でカウパー腺液を分泌できる。
STEP 2:潤いを感じる条件を整える
興奮が高まりやすい環境(照明・音楽)や心理的安心感が分泌量アップの鍵。
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Tips(ホルモン治療中でも体調により個人差大)
STEP 3:潤滑ゼリーは必ず利用する
医療グレードの潤滑ゼリーを使い、摩擦ダメージと痛みを予防する。
Note: 自然な分泌物のみでは絶対量が不足しますので、潤滑ゼリーでカバーします。
SRS後の“潤い”をめぐる誤解と真実
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誤解①「SRSすれば自然と愛液が出る」
実際は膣分泌腺がないため、カウパー腺液+外部潤滑が基本。 -
誤解②「カウパー腺液は尿だから不衛生」
実際はアルカリ性の前駆潤滑液で感染リスクは低い。 -
誤解③「濡れない=失敗手術」
実際は個人差が大。術式よりも興奮度・ケア方法次第で快適度が変わる。
Note: 濡れにくさは手術ミスではなく生理的仕様である点を理解しましょう。
まとめ
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SRS後は膣自体の分泌はなく、尿道口のカウパー腺液が主な潤滑源。
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分泌量は心理状態・ホルモンバランスで変動し、潤滑ゼリー活用が必須。
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“濡れない”は失敗ではなく仕様。正しい知識とケアで快適な性生活が可能。
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バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超