「反転法」という術式について正しくない理解~ペニス(陰茎)反転法と陰嚢皮膚移植法の違い
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記者:
横須賀 武彦
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2016年12月20日
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「反転法」とはペニス(陰茎)反転法のことですが、当事者やアテンド業者の一部の人は「陰嚢皮膚移植法」のことを「反転法」と呼称しているようです。
昔はペニス(陰茎)の皮膚を使って造膣していた時代もありましたが、ペニス(陰茎)の小さな日本人には不利な手術法であったため、1970年代前後に陰嚢皮膚を移植して造膣する手術方法(non-penile inversion techniques)が開発されて今に至っています。
6年前の2010/11/11に同じ趣旨の記事を書いてます。⇒ ガモン・スタイルとは?
しかし、現在でもこの点を正しく理解せず勘違いして多くのサイトで反転法=陰嚢皮膚移植法のような説明や陰茎皮膚で造膣すると説明をしてます。
グーグル検索: ペニス(陰茎)反転法と陰嚢皮膚移植法の違い
陰茎(いんけい)皮膚は小陰唇の材料として使われて、陰嚢(いんのう)皮膚が造膣に使われると理解するのが正しいです。
以下にガモン医師の日本語説明を転載しておきますので、よく読んでご理解いただき、今後は反転法という言葉は避けて「陰嚢皮膚移植法」(ガモン病院ではSRS2と呼んでいます。)という名称を使っていただけると幸いです。
ガモン病院で女性器を形成するには以下の方法があります:
1. SRSオプションの手順:
陰茎と陰嚢の皮膚が不十分な場合、またはSRSの修正で陰部の皮膚に制限がある場合は、オプションの手順が必要かもしれません。
a. 陰茎反転法: Penile Skin Inversion ※
この手技は、膣を形成し美しくするために陰茎の皮膚を反転することを含みます。これは広く普及している方法です。この方法の利点は、非常にシンプルで複雑ではないことです。熟練した専門外科医ならば、この手技の性別適合手術にかかる所要時間は約4時間です。欠点は、満足のいく深さを持たない膣に終わるので、4インチより短い陰茎の方には適さないことです。(一般的に膣の深さは陰茎を覆っている皮膚の長さより1インチマイナスの長さに等しいです。これは小陰唇を作るために必要な皮膚を含みます) 一部の患者さんは、陰唇形成術の修正が必要かもしれません。なぜならば陰茎皮膚のほとんどの部分は、膣全体の深さのために膣内に反転されているので、小陰唇および陰核包皮を作るためには不十分だからです。この方法では、陰唇形成術の修正と陰核包皮再建の必要があるかもしれません。
b. 皮膚移植なしSRS: SRS without skin graft※
この手技は、陰茎と陰嚢皮膚を使用して、小、大陰唇、陰核(クリトリス)、陰核包皮、女性の尿道などの外性器を構築します。陰茎皮膚は小陰唇と陰核包皮を形成するのに使われるので、皮膚移植片を膣壁として使わない限り、膣の深さは非常に不十分です。この手技は、経膣性交を必要としない人や生活のために不要な膣拡張作業をしたくない人に適しています。
2.陰嚢皮膚移植法: SRS with scrotal skin graft ※
この手技は、陰嚢皮膚移植で膣壁を覆い、亀頭の一部を使ってクリトリス、そして小陰唇を作るために陰茎を覆っている皮膚を使用することを伴います。これは十分な深さがあり機能的な膣となる結果になるでしょう。もしも陰嚢皮膚移植だけでの膣の深さが、依然として患者さんの満足のいくものでない場合は、外科医は更に膣の深さを増すために、鼠径部や下腹部などの他の箇所からの皮膚移植片の使用を検討します。
– この手技の利点は、審美的で完全な機能を一度の手術で提供することです。ほとんどの方は、それ以上の追加の修正手術は必要ありません。
この手技で、彼らは同様に希望する深い膣を持つことができます。– 欠点は、手術が困難かつ複雑で、不十分な皮膚を持つ人には適していないことです。
この手技は、経験豊富な性別適合手術の専門外科医なら、完了するのに約4-6時間かかります。
利点は、この手技は、より少ない手術時間とより少ない合併症だということです。