〖保存版〗ホルモン治療の悩みトップ10|変化・副作用・費用・カミングアウト…「次の一手」を整理する
記者:
JWC 加地
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2025年12月24日
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こんにちは、タイSRSガイドセンターです。
性別移行のプロセスの中で「ホルモン治療(HRT)」を検討・継続されている方は多い一方で、実際に始めてみると“想像していなかった悩み”が次々に出てきます。
そしてこの悩みは、ホルモン治療そのものだけでなく、将来のSRS(性別適合手術/性転換)や生活設計にもつながっていきます。
今回は、相談の場で特に多く語られやすい「ホルモン治療に関する悩み」を10項目に整理してまとめます。
いま不安が渦になっている方ほど、いったん頭の中を“棚卸し”する材料としてご活用ください。
留意事項(大切なお願い)
この記事は、医療行為の指示や処方の代替ではなく、「悩みの整理」と「考え方のヒント」を目的とした情報です。
ホルモン治療の開始・中止・変更、薬の種類や量の判断は、必ず医師の指示のもとで行ってください。自己判断での増減や中断は、体調面・精神面の負担が大きくなることがあります。
ホルモン治療に関する悩み項目トップ10
1. 身体的な変化の程度と限界(個人差が大きい)
「胸が膨らむ」「肌がきれいになる」「体臭が変わる」など、ホルモン治療に期待する変化は人それぞれです。
ただ、変化の出方・スピード・到達点は体質や年齢、生活習慣などに左右され、どうしても“限界”があります。
考え方のヒント
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変化を「ゼロか百か」で見ない(少しでも前に進めば“成果”です)
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SNSの“強い変化例”は参考程度に(比較が苦しくなる原因になりがちです)
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「埋没(周囲に気づかれない状態)」はホルモン治療だけで必ず到達できるものではなく、元の要素や環境要因も関係します
2. 副作用と健康リスク(怖いのが当たり前)
ホルモンバランスが変わることで、火照り・倦怠感・気分の波など、更年期のような症状に似たしんどさを訴える方もいます。
また、筋力の変化、気分の落ち込み、体調の揺れなど、「これって大丈夫?」と不安になる瞬間は多いものです。
考え方のヒント
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“不安=異常”ではありません。安全に続けるための感覚として自然です
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定期的な検査・医師のフォローを前提に「長距離走」として考える
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不調を我慢し続けず、早めに相談して調整できる体制を作る
3. 睾丸摘出(去勢)のタイミングと影響(SRSを見据えると重要)
「ホルモンだけで十分か」「先に摘出した方が変化が早いのか」と悩む方は少なくありません。
一方で、将来SRS(造膣など)を検討している場合、手術計画との整合性がとても大切になります。
考え方のヒント
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“いまの悩み”と“将来の手術”を切り離さず、セットで考える
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予定している術式や医療機関の方針によって、望ましい順序が変わることがあります
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制度面(保険適用や条件など)を気にしている方は、必ず主治医・医療機関に事前確認を(噂ベースで決めると取り返しがつかなくなる場合があります)
4. 治療費用と保険適用の可否(「一生続くかも」の現実)
ホルモン治療は、1回で終わるものではなく、基本的に継続が前提になります。
そのため、毎月(または定期的な)費用負担がじわじわ効いてきます。クリニックごとの価格差も大きく、「続けられるか不安」という声はとても多いです。
考え方のヒント
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まずは「月額の目安」「検査費用」「通院頻度」を現実ベースで把握する
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“理想の治療”より先に、“継続可能な治療”を作る
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SRSも視野にある方は、治療費と手術費・渡航費を同時に設計する(別財布にしない)
5. 投与方法の選択(注射・錠剤・パッチ・ジェル)
投与方法によって、通院負担や体感、管理のしやすさが変わります。
「注射が最強?」「錠剤は内臓に悪い?」「パッチやジェルは効きが弱い?」など、情報が多すぎて迷いやすいポイントです。
考え方のヒント
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“効果の強さ”だけで選ばない(生活の現実に合うことが継続の鍵)
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通院が難しい・怖い・不安が強い場合は、方法の選択肢を医師と整理する
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自己判断での変更や、無理な運用は避ける(不安が増える方向に行きやすいです)
6. 精神面への影響(感情の起伏・不安定さ)
ホルモン投与を始めてから「感情が揺れやすくなった」「涙もろい」「イライラする」など、気分の変化を実感する方がいます。
“自分が自分じゃない感じ”がして戸惑うケースもあります。
考え方のヒント
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自分を責めない(ホルモンの変化+環境ストレスが重なりやすい時期です)
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「しんどい日がある前提」で生活を組み直す(睡眠・食事・予定の詰め込み)
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相談先を“医療+生活(話せる人)”の二段構えで確保する
7. 性欲の減退と生殖能力の喪失(後悔しないためのテーマ)
治療の過程で、性欲の変化を感じたり、将来的な妊孕性(子どもを授かる可能性)について悩む方がいます。
このテーマは「後で考えよう」と先送りしがちですが、先送りほど苦しくなることもあります。
考え方のヒント
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将来の選択肢を残したい方は、開始前(または早い段階)で検討しておく
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“今の自分にとって何が大切か”を言語化しておく(迷いが減ります)
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パートナーや家族との関係性がある場合は、話し合いの順番を設計する
8. 開始年齢と「手遅れ」への不安
「今から始めても遅い?」「若い人ほど変わるんでしょ?」という不安は、年齢を問わず繰り返し出てきます。
結論として、何歳でも始めることは可能ですが、変化の出方に年齢要因が影響することもあります。
考え方のヒント
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目標を“若い頃の理想”に固定しない(今の自分に合うゴール設定を)
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変化は外見だけでなく、生活のしやすさ・安心感にも現れます
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「いま始める」こと自体が、将来の後悔を減らす判断になることもあります
9. 通院先(クリニック)の確保(地域差が深刻)
地方や島しょ部では、そもそも受診先がない、理解が乏しい、相談しづらいなど、医療アクセスの問題が大きくなりがちです。
結果として、情報収集だけで疲れてしまう方もいます。
考え方のヒント
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“相性の良い医療機関”は、最初から完璧に見つからないこともあります
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オンライン診療など、現実的に継続できる手段を含めて検討する
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受診時に困るポイント(言い方、検査、書類)を事前にメモしておく
10. 周囲へのカミングアウトと生活の変化(治療とセットで起きる問題)
身体変化が進むと、家族や職場に隠し通すことが難しくなる場面が出てきます。
「いつ言うべき?」「親を説得できる?」「職場はどうする?」と、人間関係の悩みが治療と同時進行になりやすいのが現実です。
考え方のヒント
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“言う/言わない”よりも、“安全に生活できるか”を最優先にする
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伝える順番・タイミング・言い方を事前に設計する
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ひとりで抱えず、経験者や第三者の視点を入れて計画を立てる
まとめ:悩みが多い人ほど「決める順番」を変える
悩みが増えると、つい「どの薬がいいか」「どの方法が最強か」から考えたくなります。
でも、多くの場合は順番が逆です。
おすすめの整理順は、次の通りです。
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自分の目標(何を得たいのか/何が苦しいのか)
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安全の確保(検査・相談先・無理をしない運用)
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生活の設計(費用・通院・仕事や家族との調整)
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将来の選択肢(SRS、妊孕性、カミングアウト計画)
最後に:ホルモン治療の悩みは「あなたが弱い」からではありません
ホルモン治療は、身体と心と生活が一緒に動くテーマです。悩みが出るのは当然ですし、むしろ真剣に向き合っている証拠でもあります。
タイSRSガイドセンターでは、手術予約や渡航サポートだけでなく、SRSを見据えた準備の整理や、不安の言語化、帰国後のアフターケアまで、経験者スタッフが日本語でサポートしています。
「いまの治療を続けながら、SRSの準備も進めたい」
「将来の手術に影響することだけは先に把握しておきたい」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
こんにちは。SRS(性転換/性別適合手術)、顔の女性化そして声の女性化の経験者であり、岡山県出身の加地 茜(あかね)です。趣味は映画鑑賞、好きな動物はカエルです。 相談できるところが少ないSRSや顔の女性化、声の女性化に関してのご相談、そして様々な情報が溢れている現状で何を信じて良いのかわからないなどの困り事があればお気軽に相談して下さい。 自身の手術経験やアテンド経験から、痒いところに手が届く様なサポートが出来るよう、日々努力しています!
















