紹介記事:トランスジェンダーの子、将来どうなる?
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記者:
横須賀 武彦
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2016年9月21日
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~もしも我が子がトランスジェンダーだったら~
●性別適合手術は親の手を離れてから子どもが自分で考えるべき
トランスジェンダーの中には、性別適合手術などの外科的手術を希望する人もいます。女性から男性へのトランスジェンダー(FTM:Female to Male)の場合は乳腺や子宮や卵巣、などを、男性から女性へのトランスジェンダー(MTF:Male to Female)は陰茎や精巣を切除するなどの手術があります。
性別適合手術自体は20歳から受けられるとあって、ママテナ世代にとってはまだ少し先のことではありますが、遠藤さんは「手術は子どもがきちんと自立し、親の手を離れてから考えるべき話だ」と主張します。
「まずは子どもが自分で一生懸命調べるべきです。なので、親があれこれ調べたり、手術費について苦悩したりしている状況では、ひとまずブレーキをかけても良いかもしれません。日本では性別適合のための医療資源はとても乏しく、正確な情報もあまり多くありません。結局のところ手術を受けるためには、様々なリスクや医学的知識を当事者本人が調べないといけないのです」
タイなど海外で手術を受ける人もいますが、その場合にも、日本に戻ってきて万が一トラブルが生じた時に、どこの病院に駆け込めば良いかなども考えておく必要があると遠藤さん。
「日本にも病院はありますが、順番待ちや手術件数、費用の面などで、それぞれメリット・デメリットがある。そういうことを、子ども本人が調べ、意思決定できるようになってからでないと、手術を選択する時期とは言えないのではないでしょうか」
手術を希望する人の中には、手術がゴールになってしまい、その後の人生設計ができていない人もいるそう。
「手術をした後の人生の方が、ずっと長い。その後にだって考えなきゃいけないことがいっぱいあるわけです。最近では手術費用を親が出すケースも結構ありますが、私は原則、当事者の子ども自身が貯めたお金で手術をしたほうがいいと思っています。お金を貯めていく中で、社会で揉まれてどうやって自分が生きていくべきかを考えることにもつながるはずです。性別の悩みだけでいっぱいになっているときには気が付けないことが、社会で揉まれる中で表れてくる。こういうプロセスも無駄にはならないように思います」
手術をして戸籍や法律上の性別を変えても、その後に幸せになれなかったら意味がないことだと遠藤さんは言います。トランスジェンダーとして生きていくと聞けば、すぐ性別適合手術と連想してしまう親も多いかもしれませんが、必ずしもイコール手術ではありません。仕事や夢、だれとどうやって生きていくのか、周りとどうやって関わっていくのかなど、当事者である子ども本人が考えなくてはいけないことは、たくさんあるようです。自立した子どもがその答えを出した先に、ようやく手術をするかどうかの決断かもしれません。こうしたプロセスを家族が知っておくことで、もし子どもが当事者だったとき、間接的にサポートすることができるのではないでしょうか。
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http://mama.bibeaute.com/article/41002/
バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超