【適応FAQ】持病・年齢・条件に不安があっても、タイでSRSは受けられる?

記者:

JWC 加地

2026年7月10日

 

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【まず結論】受けられるかどうかの「最終判断」は病院の術前検査・判定です

「50歳を過ぎてしまった」「ぜんそく(喘息)や心臓病がある」「精神科に通っている」「近くの病院でGID(性同一性障害/性別不合)診断書が取れない」——こうした不安から、タイでのSRS(性別適合手術)を諦めかけていませんか。

まず、いちばん大切な前提をお伝えします。持病や年齢、条件があっても、それだけで一律に「手術できない」と決まるわけではありません。実際に、さまざまな持病や条件を抱えた方が、必要な書類や検査を整えたうえでタイで手術を受け入れられた実例は数多くあります。

ただし、「◯◯病でも大丈夫です」と私たちがお約束することはできません。手術を受けられる体調かどうかの最終判断は、あくまで病院の術前検査と担当医の判定によります。日本では治療が不要と判断される程度の状態でも、タイの病院では「先に治療を」と判断されることもあります。

そのうえで、私たちタイSRSガイドセンターがお手伝いできるのは、次の領域です。

  • これまで同じような条件の方を受け入れてきた実績をもとにした、事前のご案内。
  • 病院に提出する必要書類(診療情報提供書・GID診断書など)の準備や手配のサポート。
  • 渡航・滞在・費用・スケジュールといった、アテンド会社としての実務のご相談。

一方で、「この持病でも手術して問題ないか」という医学的な判断や、服薬の飲み合わせは、かかりつけ医・主治医・薬剤師、そしてタイの病院の領域です。私たち(無資格のアテンドスタッフ)が医学的な可否を代行して判断することはありません。この線引きこそが、皆さまに安心してご相談いただくための誠実さだと考えています。

以下、実際によくいただくご質問を、テーマごとにまとめました。ご自身に近いものからご覧ください。

健康・持病に関する不安

ぜんそく(喘息)持ちなのですが、手術はできますか?

程度によります。ガモン病院の場合、軽度であれば手術が可能なケースが多いですが、症状の程度により追加書類や追加検査が必要になることがあります。可否の最終判断は病院の術前検査・判定によりますので、いずれの場合も、事前に弊社までご相談ください。

判断のめやすとして、これまでのケースを整理すると次のようになります。

  • 子どもの頃に喘息にかかったが、その後数年以上発作がなく、症状が改善(または経過観察)している場合
    → 現在、喘息に関する薬を処方されていなければ、通常は問題になりにくい状態です。もし喘息の薬を処方されているなら、かかりつけ医に、処方薬の詳細や治療歴を記した「診療情報提供書」を発行してもらってください(可能であれば英文)。
  • 症状は落ち着いているが、ときどき発作があり、吸入薬などを使っている場合
    最も新しい発作の日付と程度の詳細を含み、かつ処方薬の詳細や治療歴が書かれた、かかりつけ医発行の診療情報提供書(可能であれば英文)をご用意ください。程度により、渡航後に追加の検査や、麻酔科による確認が必要になる場合があります。
  • 重度の喘息で現在も治療中の場合
    → 上記の診療情報提供書に加えて、かかりつけ医により「全身麻酔を伴う3〜5時間程度の手術」が可能と明記された書面(可能であれば英文)をご用意ください。状況により、ガモン病院の麻酔科医から追加書類・追加検査の指示がある場合があります。

いずれのケースでも、全身麻酔に関わる可否は麻酔科・担当医の判断です。ご自身の喘息が手術に耐えられる状態かどうかは、主治医の診療情報提供書をもとに病院が判定します。私たちは、その書類の準備と病院への手配、渡航スケジュールの調整をお手伝いします。

50歳以上で、かつ心臓病があるのですが、手術はできますか?

年齢だけを理由に一律でお断りすることはありませんが、心臓病については種類や程度により手術できない場合があります。

たとえば、心臓の血管が狭くなる「冠動脈狭窄」の場合、程度によっては、先に日本で狭窄の治療(カテーテル治療など)を済ませておかないと手術ができないことがあります。一方、軽度の狭窄で薬物治療を受けている状態であれば、日本のかかりつけ医による診療情報提供書など、疾患の詳細がわかる資料があれば手術ができる場合もあります。

注意していただきたいのは、日本では「とくに治療は不要」と判断される程度の疾患でも、タイでは「先に治療が必要」と判断される(=手術直前の術前検査で手術NGになる)ことがあるという点です。せっかく渡航しても手術できない、という事態を避けるためにも、心臓に不安のある方は、事前に主治医の診療情報提供書をご用意いただくことを強くお勧めします。

年齢を重ねると、自覚のない心臓関連の疾患が見つかることもあります。ご不安な方は、渡航前に一度、心臓関連の検診(心臓エコー検査および心臓負荷検査)を手術予約の前から受けておくとよいでしょう。また、手術予約後は、可能な限り手術日より3ヵ月以内に検査した健康診断結果の提出が好ましいです(持病をお持ちの方は事前に弊社までご相談ください)。

足が不自由な場合、負荷心電図検査(ストレステスト)はどうすればいいですか?

手術を諦める必要はありません。代わりの検査方法があります。

「負荷心電図検査(ストレステスト)」とは、運動で心臓に一定の負荷をかけた状態で心電図をとる検査で、主にトレッドミルや自転車エルゴメーターなど、足を使う検査です。そのため、足が不自由でこれらの検査が行えない方もいらっしゃいます。

その場合は、まずご自身のかかりつけ医にご相談ください。かかりつけ医から、負荷心電図検査の代わりとなる、たとえば次のような検査を提案されることがあります。

  • 心臓CT検査(冠動脈CT) … 点滴で造影剤を流しながら、心臓の血管の状態をCT撮影で調べる検査。
  • 心臓カテーテル検査 … 局所麻酔のうえ、手首や足の付け根からカテーテルを心臓近くの血管まで入れ、造影剤を流してX線撮影する検査。
  • 薬剤による負荷検査(薬剤負荷心筋シンチグラフィ等) … 運動の代わりに薬剤で心臓に負荷をかけて調べる検査。

どの検査が適切かは、足の状態や心臓の状態によってかかりつけ医または心臓専門医が判断します。得られた検査結果(診療情報提供書)をご用意いただければ、それをもとに病院が手術の可否を判定します。私たちは、その結果を病院へつなぐ手配と、渡航の調整をお手伝いします。

精神面・診断に関する不安

GID(性同一性障害/性別不合)以外の精神障害があるのですが、手術はできますか?

条件があります。投薬中か治療済みかを問わず、以下の資料をご準備ください。

  1. 精神科医による、症状および治療歴の記された「診療情報提供書」(または紹介状/可能であれば英文)
  2. GID(性同一性障害/性別不合)診断書(除外診断のあるもの)

診療情報提供書がない場合、渡航後に追加の精神科医とのカウンセリングや投薬料など、予期しない追加費用が発生する場合があります。また、GID診断書がない場合は、手術ができない可能性があります。

なお、症状の度合いによっては、弊社でのアテンドをお引き受けできない場合があります。これは、渡航・入院という環境の変化がご本人の負担になりうることを踏まえた判断です。ご自身の症状が手術・渡航に耐えられる状態かどうかは、まず主治医(精神科医)にご確認ください。そのうえで、書類の準備やアテンドの可否について、まずはお問い合わせください。

近くの病院に行っても、GID(性同一性障害/性別不合)診断書が取れません

性同一性障害(性別不合)の診断を行っている医療機関であれば、お近くでなくても受診できます。該当する病院は全国に数多くありますので、下記のような医療機関検索サイトなどを参考に、診断を行っている病院を探してみてください。

なお、タイの医師会のルールにより、タイ人精神科医2名(またはタイ人精神科医1名+海外の精神科医1名)の診察・診断を受ける流れがあり、渡航後にタイでGID(性同一性障害/性別不合)診断書を取得する経路自体は存在します。ただし、性別移行(トランジション)が途上の場合、渡航後のカウンセリングで診断書が取得できず、手術が受けられなくなるリスクがあります。また、帰国後の戸籍の性別変更にも、日本での診断が必要になります。こうした理由から、当センターでは現在、渡航前に日本でGID診断書を取得しておくことを推奨しています(性別移行が途上の方は、日本での診断を証明するため、英文のGID診断書の持参を推奨します)。

GID診断書が手術に必要かどうか(要・不要)については、SRS渡航にあたっての診断書取得についてもあわせてご参照ください。

ただし、受診した医師から「性同一性障害(性別不合)ではない」と言われた場合は、状況が変わってきます。その場合はご自身の判断で進めず、あらためてご相談ください。診断そのものは医師の領域ですが、診断書をどう手術・渡航の手続きに使うかについては、弊社スタッフ/LINEからご案内できます。

外見・移行状況に関する不安

外見的に普通の男性なのですが、SRSに際し支障はありますか?

外見そのものはさほど重要ではありません。ポイントは、「GID(性同一性障害/性別不合)診断書」があるかどうかです。

職場の事情などで、まだ男性として働いていて、化粧や服装などの移行(トランジション)が進んでいない場合も同じです。そこまで難しく捉える必要はありません。診断書が整っていれば、外見の移行状況によって手術が受けられなくなるわけではありません。ただし、移行が途上の段階で渡航する場合は、日本での診断を証明するために英文のGID診断書の持参を推奨します(詳しくは本記事内の近くの病院でGID診断書が取れない場合をご参照ください)。

GID診断書の取得については、本記事内の近くの病院でGID診断書が取れない場合や、診断書取得についての記事もご参照ください。

なお、手術前のカウンセリング時には、女性装(または中性的な服装)をしてお越しいただきますので、その点は予めご了承ください。

その他、よくいただく条件について(HIV・糖尿病など)

上記のほかにも、「HIV陽性だが手術できるか」「糖尿病があるが大丈夫か」「肝炎のキャリアだが」といったご相談を多くいただきます。

こうした条件についても考え方は同じで、条件があるだけで一律にお断りすることはありませんが、可否の最終判断は病院の術前検査・判定によります。感染症については、病院側の受け入れ体制や追加の検査・手配が必要になる場合があり、糖尿病などは血糖コントロールの状態が問われます。

いずれの場合も、まずは主治医の診療情報提供書(可能であれば英文)をご用意ください。そのうえで、これまでの受入実績や必要な手配について、弊社スタッフ/LINEからご案内します。

相談先の整理:どこに、何を確認すればいい?

不安を解消するうえで大切なのは、「誰に確認すればよいか」を正しく振り分けることです。私たちアテンド会社が医療・法律の専門判断を代行することはありません。それぞれの専門家に確認いただくのが、いちばん確実で安全です。

確認したいこと 相談先
この持病・年齢・体調で手術に耐えられるか(可否の最終判断) 病院(術前検査・担当医) / 渡航前はかかりつけ医・主治医
服薬中の薬の飲み合わせ・中止の可否 主治医・薬剤師
GID(性同一性障害/性別不合)の診断・診断書 精神科医(性同一性障害/性別不合の診断を行う医療機関)
戸籍・法的手続き(性別変更など) 弁護士・家庭裁判所・行政書士
受入実績・必要書類の準備/渡航・滞在・費用・スケジュールの手配 弊社スタッフ/LINE窓口

このように、医学的な可否は病院と医師、法的手続きは法律の専門家、そして渡航や手配の実務は私たち、と役割を分けています。私たちにできるのは、皆さまが適切な専門家に確認できるよう道筋を整え、そのうえで渡航と手術をスムーズに進めるお手伝いをすることです。

タイでのSRSを検討している方へ

持病や年齢、診断書のことで「自分は受けられないのではないか」と一人で悩み、諦めてしまう方は少なくありません。ですが、条件があること=手術できない、ではありません。必要な書類と検査を整え、正しい相談先に確認していけば、道が開けるケースは数多くあります。

一方で、私たちは「大丈夫です」と安易にお約束はしません。可否の最終判断は病院の術前検査・判定であり、それこそが皆さまの安全を守る仕組みだからです。私たちの役割は、その判定にたどり着くまでの準備——受入実績にもとづくご案内、書類の手配、渡航・滞在・費用の調整——を誠実にお手伝いすることです。

「自分の場合はどうだろう?」と思われたら、どうか一人で結論を出さず、まずはご相談ください。これまで多くの当事者の方と向き合ってきた経験から、次の一歩を一緒に考えます。

参照した主な情報源(統合元の既存記事)

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