FAQ: FtMの手術なんですが、全ての手術をするには①~⑥の全てをやるのですか?
記者:
横須賀 武彦
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2007年9月20日
2,141

「陰茎形成には何段階もあると聞くけれど、全部やらないと“完成”にならないの?」――そんな疑問は多くのFtM当事者が最初に抱える悩みです。本記事ではタイの主要医療機関で実際に組まれている代表的な手術工程と回数を整理し、あなたが取るべき選択肢をわかりやすく解説します。
Q. 結論から言うと?
必要な手術回数は 「目指すゴール」と「合併症リスクの許容度」で変わります。
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ヤンヒー病院のフルコースでは最短4回、状況に応じて6回に分割可
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ガモン病院はミニペニスであれば最短1〜2回、マイクロサージャリー式陰茎形成なら最短3回
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いずれも各段階ごとに3〜6 か月の癒合期間が必須
例:合併症リスクを抑えたいAさんはガモン病院で「子宮卵巣全摘→半年後に膣閉鎖+ミニペニス」を選択し、計2回で終了しました。
陰茎形成の手術工程を段階的に詳しく解説
STEP 1:乳房・子宮卵巣の摘出
約1〜2 週間の滞在で、上半身の外観と将来のホルモン管理を整えます。
STEP 2:膣閉鎖+尿道延長の準備
尿道を陰茎先端まで導く土台づくり。合併症を避けるため十分な治癒期間が必要です。
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Tips:感染予防のため術後はダイレーションを厳守
STEP 3:陰茎形成(組織採取とマイクロサージャリー)
前腕または下肢などから皮弁を採取し、血管・神経を顕微鏡下で吻合。40 日ほどの長期滞在が推奨されます。
Note: 前腕皮弁は感覚再建に優れる一方、ドナー跡の瘢痕が大きい点に注意しましょう。
FtM陰茎形成に関するよくある誤解と正しい情報
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誤解①「一度で全部終わる」
実際は合併症リスク管理のため複数回が国際標準。 -
誤解②「どの病院でも工程は同じ」
実際は医師の専門性と設備で工程・回数が変わります。 -
誤解③「ミニペニスは感覚がない」
実際は陰核神経を温存するため性感受性は残ることが多いです。
Note: 陰茎形成は日本の性別変更の要件では無いため、陰茎形成により得られるメリットとデメリットの検討を十分に。
まとめ
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目標形態によって必要な手術回数が変わる
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ヤンヒー4〜6回/ガモン1〜3回が目安
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各工程間は3〜6 か月空けて安全性を最優先
タイSRSガイドセンターは、タイで実際に性別適合手術を経験したMtF当事者が現地で直接サポートする唯一のアテンド会社です。
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