ステージごとに違う医療機関で手術することは可能ですか?
記者:
横須賀 武彦
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2009年4月6日
2,458

FtM 手術は子宮卵巣摘出、膣閉鎖、尿道延長、ミニペニス形成など工程が多く、「途中で病院を替えても大丈夫?」という不安を抱く方は少なくありません。
本記事では各ステージを別々の医療機関で受ける可否と、トラブルを防ぐスケジューリングのコツを解説します。
病院を分けても大丈夫?【Q&A】
結論: 半年以上の間隔と全体設計があれば大きな問題はない
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ミニペニス形成まで視野に入れる場合、摘出手術後 6 か月以上 空けると合併症率が低下
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術前・術後データを同じフォーマットで共有すれば病院間連携がスムーズ
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ガモン病院は他院での前段階手術後でも引き継ぎ症例が多い
例:
ヤンヒー病院で子宮卵巣摘出後、7 か月の回復期間を取り、
ガモン病院で膣閉鎖+尿道延長+ミニペニス形成を受けたケースでは、
術後合併症は最小限で済みました。
ステージ別に詳しく解説
STEP 1:全体設計と病院選定
最終ゴールから逆算し、術式適合と病院間の連携可否を初期段階で確認する。
STEP 2:開腹 vs 腹腔鏡—術式選択
開腹は視野確保が容易で適応範囲が広いが創部が大きい。
腹腔鏡は回復が早い反面、肥満・癒着例では適応外になる場合がある。
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Tips(術式選択は腹部写真で脂肪の付き具合を確認し、開腹手術歴がある場合は腹部CTで癒着有無を事前評価)
STEP 3:ステージ間インターバル管理
子宮卵巣摘出後 6–12 か月で渡航時期を再調整し、次段階を決定する。
Note:
子宮筋腫などの追加疾患が見つかった場合は開腹へ移行する可能性があります。
よくある誤解と正しい情報
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誤解①「術式が違うと次の病院で断られる」
実際は 記録が整っていれば受け入れ可。連携用サマリーが鍵。ただし、ヤンヒー病院では受け入れ不可。 -
誤解②「腹腔鏡は誰でも可能」
実際は BMI・既往歴で適応外 のケースがある。 -
誤解③「ガモン病院は他院症例を取らない」
実際は 引き継ぎ実績が多数。ただし、過去の手術歴の詳細(術式など)の告知は必須。
Note:
過去の手術先から手術の証明書などの資料を受け取っていれば、それを提示するのがベスト。
まとめ
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ステージごとに病院を替えることは 半年以上の間隔と十分なデータ共有 があれば可能
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開腹 vs 腹腔鏡 は体格・既往歴・子宮疾患の有無で選択
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具体的な情報と連携サマリー が合併症リスクを最小化する
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