FAQ: 腹腔鏡による子宮卵巣摘出手術の正確な術式名は全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)ですか?
記者:
横須賀 武彦
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2008年3月1日
2,422

腹腔鏡で子宮や卵巣を摘出する場合、「TLH(全腹腔鏡下子宮全摘術)と LAVH(腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術)のどちらが行われるの?」という疑問は尽きません。この記事では、具体的な術式名・麻酔方法・合併症リスクまでまとめ、あなたが安心して手術計画を立てられるよう解説します。
TLH と LAVH、実際に選ばれるのはどちら?
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結論:タイSRSガイドセンターが紹介する医療機関では、原則として 全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を採用
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根拠
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気腹法で視野を確保するため、傷が小さく回復が早い
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子宮筋腫や卵巣囊腫などで膣から取り出しが困難な場合は、1%未満の確率で開腹に切り替えて手術を続ける事も
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近年の研究で TLH は LAVH と比較し、出血量・手術時間・疼痛スコアの面で優位
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「建設業で術後のダウンタイムを心配しましたが TLHで、2 週間後にはデスクワークから復帰できました。」(2023 年 FtM患者 A さん)
TLH 手術を段階的に詳しく解説
STEP 1:術前評価と麻酔計画
全身麻酔の安全性を高めるため、血液検査・心肺機能チェックを行い、麻酔医が個別プランを作成します。
STEP 2:腹腔鏡下操作と子宮摘出
気腹法で腹腔内を 12〜15 mmHg に保ち、カメラ+鉗子 3〜4 本で子宮・卵巣を切除。
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Tips(術中 CO₂ 吸収による肩痛は、徐圧と鎮痛剤でコントロール)
STEP 3:創閉鎖と回復プロトコル
CO₂ 排気後、5 mm 前後の傷口を縫合し、2〜3 時間で麻酔覚醒。翌日には歩行開始を推奨。
Note: 帰国後 2 週間は重量物を持たず、蛋白質多めの食事で創治癒が促進します。
TLH に関するよくある誤解と正しい情報
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誤解①「TLH は傷が多い」
実際は 5 mm 程度の孔が 3〜4 か所で、美容面の満足度が高い。 -
誤解②「CO₂ 気腹は危険」
実際は 肩痛や高炭酸ガス血症は一時的で、麻酔科管理下なら重篤化は稀。 -
誤解③「日本で産婦人科医を待機させるべき」
実際は 帰国後のフォローアップは推奨されるが、術中合併症はほぼ現地で完結・対処可能。
Note: 腸閉塞リスクは「早期離床・水分摂取・食物繊維控えめ」で大幅に低減します。
まとめ
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TLH がタイでの標準術式。筋腫が大きい場合などでは開腹に切り替えることも。
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麻酔は全身麻酔、手術時間は約 2〜3 時間。
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合併症は少ないが、帰国後 2 週間の安静と日本の主治医確保が安心材料。
タイSRSガイドセンターは、タイで実際に性別適合手術を経験した MtF 当事者が現地で直接サポートする唯一のアテンド会社です。
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