ガモン病院の事前健康診断にHBs抗原・抗体検査が加わりました。
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記者:
横須賀 武彦
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2013年2月6日
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ガモン病院の手術をする方に義務付けられている健康診断にHBs抗原・抗体検査が加わりました。
どんな検査?
HBs抗原/抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)に現在感染しているか、過去に感染したことがあるかの判断の指標となります。HBVに感染すると、血液中にウイルス遺伝子(DNA)のほかに、体にとって異物となるウイルス由来の蛋白質である抗原や、抗原を排除するために免疫機構によって作られた抗体(免疫グロブリン)が増加し、HBV感染の目印となります。HBVの抗原は3種類あり、最も外側にあるのがHBs抗原で、HBs抗原が陽性であれば、現在HBVに感染していると判定できます。
一方、HBs抗体が陽性の場合は、過去にHBVに感染したことがあるものの、すでにHBVは排除されて抗体ができており、原則としてHBVには再感染しないことを示します。
B型肝炎とは?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。
B型肝炎には、急性B型肝炎と、慢性B型肝炎があります。急性B型肝炎は、成人が初めてB型肝炎ウイルスに感染して発病したものであり、慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスに持続感染している人(HBVキャリア)が発病したものです。慢性B型肝炎を放置すると、病気が進行して、肝硬変、肝がんへ進展する場合があるので、注意が必要です。
つまり、慢性B型肝炎、肝硬変、肝がんは、B型肝炎ウイルスに起因する一連の疾患であるといえます。
B型肝炎の特徴
HBVは、主として感染している人の血液を介して感染する。また、HBVを含む血液が混入した人の体液などを介して感染することもある。
HBVの感染には、感染成立後一定期間の後にウイルスが生体から排除されて治癒する「一過性の感染」とウイルスが年余にわたって生体(主として肝臓)の中に住みついてしまう「持続感染」(HBVキャリア状態)との2つの感染様式がある。
一般に、成人が初めてHBVに感染した場合、そのほとんどは「一過性の感染」で治癒し、臨床的には終生免疫を獲得し、再び感染することはない(近年、成人が初めてHBVに感染した場合でも、HBVのある特定遺伝子型:ジェノタイプAに感染した場合、10%前後の頻度でキャリア化することがわかってきました)。
HBVの一過性感染を受けた人の多くは自覚症状がないまま治癒し(不顕性の感染)、一部の人が急性肝炎を発症する(顕性感染)。また、急性肝炎を発症した場合、稀に劇症化することがある。
不顕性、顕性感染の区別なく、治癒した後には臨床的には終生免疫を獲得する(しかし、最近になって、本人の健康上問題はないものの、ウイルス学的に、肝臓の中にごく微量のHBVがずっと存在し続けていることがわかってきました)。
この情報は2013年当時のものです。現在の情報については、渡航前検診のページを参考ください。