【朗報】性別適合手術を受けずに性別変更が可能に!!

記者:

JWC 加地

2024年2月12日

 

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こんにちは!😊 最近のニュースで、戸籍の性別変更に関する大きな変化があったね!これまで戸籍の性別を変更するには、手術が必要だったけど、最高裁の判断で手術を受けなくても性別変更ができるようになったんだって!✨ 特に、FtM(女性から男性へ)の方々にとって、これはすごく嬉しいニュースだよね!今後、さらに多くの人が自分らしく生活できる環境が整っていくことを願ってるよ!🌈 もし気になることがあれば、お問い合わせはご遠慮なく!💌一緒に新しい時代を楽しもうね!🏳️‍⚧️✨

2024年2月7日の報道について

2024年2月7日、以下の記事が皆さまの目に止まったことでしょう。

昨年、2023年10月25日付け最高裁判所大法廷決定において、これまで戸籍の性別変更の要件とされてきた「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」という要件は、憲法13条に違反し無効であるとの判断が示されました。

この記事によると、昨年の判断を受け、既に性同一性障害の診断を受け、一定のホルモン療法を経たFtM(女性から男性へ)の当事者が、性別適合手術が受けられない健康的な理由が有ることを考慮し、性別適合手術を受けずに戸籍の性別を変更することを、家庭裁判所が認めると判断したというものです。

経緯と現状の法律

これまで日本では2003年7月10日に成立した「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」に基づき、「性別変更を認めるためには生殖能力を喪失する手術を受けること」が必要とされていました。 しかし、この新たな裁定により、手術を受けずとも法的な性別変更が可能となりました。

日本における性別適合手術と性別扱いの変更は、2003年の法律改正(2004年に施行)で初めて可能となりました。しかし、この法律では、性別変更を希望する人が「不妊になる手術」を受けることを求めていました。これは、GID当事者にとって大きな負担となり、多くの議論を引き起こしました。

しかし、2023年10月、最高裁判所は「性別変更を希望する人が不妊になる手術を受けること」を求める現行法は憲法13条に違反し無効であるとの判断を下しました。

年代

法律の内容

2003年

性別適合手術と性別扱いの変更が可能となる

2023年

最高裁判所が現行法(不妊になる手術を求める)は憲法13条に違反し無効と判断

 

しかし、これは今までのFtM(女性から男性へ)の当事者に対する状況を考慮すると、当然の流れでもあります。

というのも、戸籍の性別変更の要件の一つである「他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること」は、FtM(女性から男性へ)の性別適合手術では実現できないためです。つまり、今までの戸籍の性別変更の要件は完全に機能していなかったのです。

FtM(女性から男性へ)について

この判断はFtM(女性から男性への性別変更)の場合に限られていると言っても過言ではないかもしれません。その理由としては、男性ホルモンを投与すれば、女性が男性の外見に近づくことが可能であるためと考えられます。

FtM(Female to Male)とは、生まれた時の性別が女性で、男性として生きることを選択したGID当事者を指します。これまでは、性別を変更するためには性別適合手術が必要でしたが、FtM(女性から男性へ)の性別適合手術では子宮卵巣摘出を行うのみで、外性器の見た目の変化は実現できませんでした。

なぜなら、FtM(女性から男性へ)の方の為の「外性器の見た目の変化」を行う為の手術は、非常に複雑で時間も資金も必要となるためです。何も無いところから、新しいものを作り出すため、当然ですね。

もし、ここで、MtF(男性から女性へ)と同じように平等に条件が扱われていたら、FtM(女性から男性へ)の性別変更件数は、MtF(男性から女性へ)のそれの1,000分の1にも満たなかったかもしれません。

今回、新たなる可能性が開かれた今、FtM(女性から男性へ)の方は子宮卵巣摘出手術を受けずとも性別変更の手続きが可能となりました。

【表1:従来の方法と新たな方法の比較】

 

従来の方法

新たな方法

手術

必要

不要

費用

高額

手頃

リスク

高い

低い

QoL

中程度

高い

これにより、性別適合手術が受けられない健康上の制限が無くとも、身体的なリスクや経済的な負担など、手術により引き起こされる様々な問題から解放されることが期待できます。また、自己の性別認識について法的な承認を得ることで、精神的な安定も得られます。この変化が、FtM(女性から男性へ)の方々の生活を大きく向上させる一歩となるでしょう。

MtF(男性から女性へ)の可能性

一方、MtF(男性から女性へ)の場合はどうでしょうか。これまでの判例では、生殖能力を喪失する手術を受けることが必要とされていました。しかし、この新たな例が、今後の性別変更に影響を与える可能性もあります。

MtF(Male to Female)とは、生物学的に男性であったが、女性としての自己認識を持つGID当事者のことを指します。新たに浮上してきたこの方法は、当事者にとって大きな希望となります。

しかし、FtM(女性から男性へ)と違って、MtF(Male to Female)は状況が異なります。ホルモン治療だけでは「男性としての外観上の特徴を備え」ていると判断される事が難しいからです。

MtF(Male to Female)の性別適合手術による外性器の変化は、FtM(女性から男性へ)のそれと異なり、既にあるものを用いて形成するため手術の難易度は低く、手術費用もFtM(女性から男性へ)の陰茎形成とは比べものにならないほど安価だからです。

また、MtF(Male to Female)では性別変更だけでなく、性別適合手術を受ける事が自身の人生の目標となっている方も少なくありません。自身の性器に強い違和感を持つためです。

加えて、「自らを女性と偽った男性による性犯罪の可能性」も世論からは数多く声が上がっています。

このように、MtF(Male to Female)の方の場合は、性別適合手術を受けずとも戸籍の性別変更が行えるという現状は、複雑な気持ちにならずを得ません。仮に、戸籍の性別変更が行えるとしても、戸籍の性別変更に対し、MtF(Male to Female)に限定した新たな要件を加えなければ、世論の同意を得ることは難しいでしょう。

しかし、長年女性として生活しているにもかかわらず、健康的な理由で性別適合手術を受ける事ができないMtF(Male to Female)が多く居ることも事実です。
今後、MtF(Male to Female)の方が手術のリスクから解放され、より自由で自己実現に寄与する生活を送れる様になる事を、心から願っています。

まとめ 〜 日本の性別意識の現状 〜

今回の報道が示すのは、日本の法律も社会も、性別の多様性を認識し始めているという事実です。それは、否応なく男尊女卑の考え方や、二元的な性別観念からの脱却を求める声が高まっていることを示しています。 この動きが、より多くの性別の多様性を受け入れる社会を作り出す第一歩となれば良いのですが…。

なぜFtM(女性から男性へ)だけ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは日本国内の「男尊女卑」であったり、「女性は男性を立たせなければならない」という暗黙の了解などから来る社会的な制限から判断されたものと考えた方が良いでしょう。

原状、充分な理解と受容があるとは言えません。まだまだ性別の多様性について理解しようとする努力が求められます。そして、それは法律改正だけでなく、日常生活や教育現場での対話を通じて、性別の認識を深めていくことが必要です。

新しい時代に向けて、日本の性別意識は大きな変革の時を迎えています。性別適合手術を必要としない性別変更の可能性は、多様な生き方を選ぶ人々に対する理解と尊重を広げる一助となることでしょう。

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