【MTF性別適合手術】基本的な手術の流れと所要時間を徹底解説!よくある質問にもお答えします
記者:
横須賀 武彦
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2006年5月8日
1,966
はじめに
MTF(Male to Female)の性別適合手術(SRS)は、トランスジェンダー女性が望む身体に近づくために行う重要なステップです。この記事では、「どんな順番で手術を行うのか」「所要時間はどれくらいなのか」を中心に解説するとともに、よくある質問(FAQ)もまとめました。手術方法や個人の状態によって異なる点も多いので、あくまで参考としてご覧ください。
MTF手術の一般的な手順:陰嚢皮膚移植法の場合
1. スペースの確保
- 膣のスペースを確保
尿道、前立腺、膀胱、直腸の間に人工的な膣を形成するための空間を作ります。
2. 睾丸の切除
- 両側の睾丸を除去
男性ホルモンの主要な分泌源である睾丸を切除することで、女性化を促進しやすくなります。
3. 陰茎の反転
- 陰茎の皮膚を反転して膣の一部に利用
陰茎皮を反転させて膣の内部に用いることで、性的快感を感じられるよう神経を温存しやすくします。
4. 尿道と陰茎の分離
- 尿道を分離して短くする
尿道を陰茎から切り離し、女性の尿道口へと形成し直します。
5. Dorsal神経と脈管の分離
- 神経と血管を丁寧に分離
2本の背根神経(Dorsal神経)と脈管を分離することで、今後の感覚機能をできるだけ残すようにします。
6. 陰茎皮の反転と膣空道ライン
- 陰茎の皮膚を反転し、膣の深さを確保
反転した陰茎皮に加えて、陰嚢皮膚や一部ではS状結腸などを用いてより十分な膣の深さを確保するケースもあります。
7. クリトリスの成形
- 陰茎の一部を利用
陰茎の小さな組織や亀頭部分を利用し、クリトリスを形成して感覚を温存します。
8. 尿道成形
- 尿道口を女性の位置に合わせる
尿道を短くし、排尿機能を確保しつつ女性の形態に近づけます。
9. 陰唇成形
- 大陰唇・小陰唇を外観上整える
余分な皮膚を使い、見た目や機能面から自然な陰唇の形に成形します。
手術時間と個人差
- 一般的な目安:4~5時間程度
ただし、手術の詳細な方法や患者さんの既往歴、身体の状態によって大きく前後する可能性があります。 - 個人差がある外性器の外見
同じ手術手順を踏んでも、体質や皮膚の柔軟性、回復力などの差によって仕上がりは人それぞれ異なります。
スポーン・クリニックの手術方法
タイにはさまざまなクリニックや病院があり、それぞれ独自のアプローチでSRSを行っています。たとえば、スポーン・クリニック(Suporn Clinic)では独自の技術が用いられているようですが、詳細な手術手順は公開されていません。
- クリニックごとに違う手術手順
施術者の経験や技術的なアプローチ、利用する組織の違いなどで、手術の順番や方法が若干異なる場合があります。
術後の注意事項
- 感染症対策
定期的に患部を洗浄し、処方された薬を用いて傷口を清潔に保つことが重要です。 - ダイレーション(膣拡張)
膣の深さや形状を維持するため、術後には定期的なダイレーションが必要です。 - 適度な安静と経過観察
術後しばらくは、安静を保ちながら回復を促します。痛みや出血が続く場合は、すぐに担当医に相談しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:SRSはどのくらいの期間入院が必要ですか?
- A1:6~7日程度が一般的
クリニックや術後の状態によって前後しますが、1週間前後の入院を要するケースが多いです。
Q2:SRS後、性感はどうなりますか?
- A2:個人差は大きいが、快感を得られる場合が多い
クリトリス形成や神経温存を重視するため、尿道口や前立腺周辺を含めて性感が残る可能性があります。
Q3:SRS後に妊娠は可能ですか?
- A3:妊娠はできません
トランスジェンダー女性には子宮や卵巣がないため、自然妊娠は不可能です。
Q4:手術は保険適用されますか?
- A4:一部の民間保険で適用される場合があります
日本の場合、性同一性障害の治療として保険適用している民間医療保険がありますが、プランや保険会社によって異なるため、事前に要確認です。
まとめ
MTFの性別適合手術は、大きく分けると「膣のスペース確保」「睾丸や陰茎の処置」「陰部の再形成」といった段階を踏んで行われ、所要時間は4~5時間程度が目安です。実際の長さは患者さんの身体の状態や手術方法によって変動します。
タイのクリニックでは独自の技術が用いられる場合も多いため、興味のある方は各クリニックの情報をじっくり調べ、納得した上で手術に臨むようにしましょう。手術の成功と術後の快適な生活には、術後ケアや医師とのこまめなコミュニケーションも欠かせません。
分からないことや不安な点があれば、遠慮なく弊社までご相談ください。自分に合った方法で、安全かつスムーズにSRSを受けられるよう、しっかりと準備を進めていきましょう。