全腹腔鏡子宮卵巣摘出手術とミニペニス形成の体験リポート ①出発から手術当日まで
記者:
横須賀 武彦
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2017年5月23日
1,389
全腹腔鏡による子宮卵巣摘出手術と陰核陰茎(ミニペニス)形成の体験リポート2016年9月①出発から手術当日まで
・35歳FTM、ホルモン治療歴10年、2007年に国内の美容外科で胸オペ済。
気管支喘息の既往あり。(服薬加療中)
・手術内容
子宮卵巣摘出手術(腹腔鏡下)、膣閉鎖、尿道延長、ミニペニス形成、睾丸インプラント、左乳頭修正(縮小)、39日間滞在(うち入院期間12日)※35日+4日間滞在延長
・病院、執刀医
ガモン病院(Kamol Cosmetic Hospital)
ガモン・パンシートゥム医師(形成外科)、シリマス・インカナート医師(婦人科)
※当初は開腹手術を予定していたが、術後の痛みや回復にかかる時間を勘案し、前日にアテンダントに連絡し、腹腔鏡下術に変更できるか尋ねる。変更可能との事。
出発から手術当日まで
2016/9/1
成田空港発(シンガポール航空)→チャンギ空港(シンガポール)経由、スワンナプーム空港着
シンガポールで乗り換えに1時間10分の余裕があったが、到着と出発のターミナルが真逆にあったため、スカイトレインに乗りその後搭乗口までかなり歩く。再度手荷物検査もあり、時間的余裕はほとんどなかった。
スワンナプーム空港に着くと、入国審査、荷物の受け取り、両替などでかなり時間が取られる。到着から待ち合わせ場所に着くまで1時間ほどかかる。
ガイドセンターのオフィスにてオリエンテーションを受け、携帯電話、ポケットWi-Fiなどを受け取り、タイSRSガイドセンターの管理物件のコンドータウンへ。
9/2(術前検査)
タイSRSガイドセンターのタイ人スタッフの「プイさん」の迎えにてガモンホスピタルへ術前検査に行く。問診、術式の確認、手術箇所の診察などを行う。
気になる事や心配事、注意点などはこの時に確認しておく。一番の心配事は喘息について。普段は服薬コントロールで発作を起こすことは滅多にないが、全身麻酔で6時間に及ぶ手術を問題なくクリアできるかどうか。日本でのかかりつけ医には出発前に相談しており、特に問題ないとの事であった。
9/3(手術当日)
8時までに朝食を済ませ、喘息の薬を飲んでおく。荷物をすべてまとめ、プイさんの迎えにてガモンホスピタルへ。貴重品ボックスに貴重品をしまい、オペ後に備え必要物品をオーバーテーブルの上に出しておく。その後突然の腹痛に襲われ、下痢をする。
オペ前にナースエイドが来て剃毛と浣腸をする。その前にお腹が下っていたせいで、ほとんど浣腸液しか出なかった。Ns.が来て病室で点滴のルート確保をするが、冷房が寒かったためか静脈がなかなか見つからず(手の甲)2回とも失敗したため、オペ室で行うこととなる。(点滴を外す時、固定テープと一緒に毛がむしれて痛いので、手の甲~手首にかけての毛は前日にでも剃っておいた方が良い)
病院の日本人スタッフの話では15時頃にオペ室から呼び出しがあるとの事であったが、実際に呼び出しがあったのは16:30頃であった。(婦人科医のスケジュールが押していた?)
オペ前はとても緊張したが、オペ室のNs.達が陽気に話しかけてくれ、日本人スタッフも付き添ってくれて少し緊張がほぐれた。オペ後は服薬ができないため、麻酔の直前に喘息の吸入スプレーをしておく。先ほど失敗した点滴のルート確保は橈骨近辺へ、驚くほどスムーズだった。
その後麻酔科医が来て、「点滴の針のところが痛くなる」とか「寒くなる」的な説明があり(タイ語?日本人スタッフが通訳してくれた)、麻酔が入ると腕の痛みと冷感、息苦しさ、頸部から後頭部にかけての圧迫感を覚えて意識がなくなる。
肩を叩かれ声を掛けられて目を覚ます。時刻を尋ねると23:30とのこと。6時間かかったとの事であった。
事前に友人から、麻酔から覚めた直後にひどい寒気や吐き気で辛かったと話を聞いていたが、僕はそのような症状は一切なく、発熱も帰国まで一度もなかった。
ただ、若干の胸苦しさと痰絡みがあった。また、6時間も腕を伸ばしたまま固定されていたため、腕がひどく痛んだ(退院まで痛みは取れなかった)。
その後は朝までリカバリールームで過ごした。オペ室のNs.が朝まで付き添ってくれ、痰絡みで咳き込むと様子を見に来てくれた。麻酔から目覚めてからは朝までほとんど眠れなかった。
「手術翌日から退院まで」に続きます。
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バンコク在住、(株)ジェイ・ウェッブ・クリエーション代表。1997年にバンコクへ移住し、現地工場長を経て2004年に会社設立。現在はバンコクで医療系の情報提供と起業支援を中心に活動中。日本国内で年に2回ほど個別相談会も開催しています。1952年生まれで茨城県水戸市出身、在タイ20年超